映画やドラマのセリフを集めています

Maki's Serif

後藤真希が演じる役のセリフを一字一句のがさず紹介します。
台本をもとにしているので実際の映画、ドラマとは多少違う場合があります。

ドラマ「伊豆の踊子」

モーニング娘。新春ラブストーリーズ 1st story「伊豆の踊子」(薫役)

シーン1 伊豆・湯ヶ島の温泉街(夜)

「(踊りながら、ちらりと見た)」
「(踊りつつ、恥ずかしそうに、目を伏せて)」
「(もう一度、ちらりと見る)」
「……」

シーン2 天城峠へ(翌日)

「(言われた通り、後ろを見る)」
「……」
「……」

シーン3 峠の茶屋

「(目を伏せて)……」
「どうぞ……」
他一同「(口々に)お世話様です」
「(気恥ずかしそうに)」
「……(なんとなく、奥に目をやり)」

シーン5 河津川の渓谷に沿ったゆるやかな下り坂

「(初江を振り返り)おばさん、湯ヶ野に着いたら、いつ、お奈津っちゃんとこ行っていい?」
「うん」
「(嬉しそうに)元気かな、お奈津っちゃん」
「(あ、となる)」
「……」
「……」
「……」
「知ってるよそのくらい。島に学生さん、来るもん」
「(目を伏せてしまう)」
「(百合子に)学生さんがたくさん、泳ぎに来るね」
「冬でも……」
「(恥ずかしそうに、また目を伏せる)」
「……」
「どこか、嬉しくて)……」

シーン6 湯ヶ野の木賃宿・前

「(!?)」
「(中に)足拭きの桶、お願いしまぁす」

シーン7 木賃宿・一階

「(真剣な眼差しで)……」

シーン9 同・2階の部屋

「どうぞ」と湯呑みを置きかける。
書生「ああ、ありがとう」
書生が受け取ろうと手を出す。
薫はその手にとまどい、茶托を置く前に思わず自分の手を引いてしまい、湯呑みが倒れ茶をこぼした。
「……」

シーン10 同・外

「……」

シーン11 同・二階の部屋

「大丈夫?」
「そうだよ。しょうがないよ」
「お兄ちゃんは?」
「……(千代子に)お奈津っちゃんとこ、行ってきていい?」
「(懐から古い手紙を出し)去年貰ったお手紙に、書いてあるから」
「きっといるよ」
初江「どうか判らないよ、ああいう商売は」
「(その声で、初江に気づく)……」
「……」
「……」
「……」
「……」

シーン12 料理屋の二階の座敷(夜)

「(ふと、外に目が行く)」
「……」
「……(太鼓を打ちつつ、また外を見る)」
「……(微笑み)」

シーン13 共同場(翌朝)

「(見る)」
「あ……」
「(嬉しくて)」
「?」
「?」
「(紅潮させて)……」

シーン14 街はずれのうらぶれた路地

「……」
「……」

シーン15 同・中

「(入ってきて)ごめんください……」
「(少し強く)ごめんください」
「……」
「あの、お奈津ちゃん、いませんか」
「あたし……大島で、お奈津っちゃんと友達で」
「でも、ここで働いてるって」
「(キッと、睨み返す)」
「……奈津っちゃん」
「(精一杯笑んで)」

シーン16 街なかの川辺

「……これから、九州」
「遠いね」
「……」
「え?」
「……」
「(受け取らず)……」
「……」
「……」
「……」
「約束したじゃない。必ず愛に行くって」
「いやだった?」
「……」
「痩せた?少し」
「……」
「九州か……」
「……」
「(笑おうと)そうなんだ」
「……」
「!(一瞬つまるが)元気だよ」
「いい子にしてる!いい子でお母さんのお手伝いも勉強もよくして、すごい元気だよ!」
「……」
「(ぎこちなく笑い)」
「……また、お手紙くれるよね」
「暮れには島に帰ってくるよね」
「また一緒に遊べるよね」
「奈津っちゃん!」
「待ってるからね。私、奈津っちゃん帰ってくるの、島で待ってるからね」
「ん?」
「何!何!奈津っちゃん!」
「……うん」
「うん(必死に、笑顔でいようと)」
「……元気で」
「また、会おうね」
「早くかえってきてねェ」
「暮れにまってるからネェ」
「必ず待ってるからね」
「必ず必ず待ってるからね」
「……」

シーン17

「……」

シーン18 木賃宿(夜)

「(一生懸命)」
「ずっと、しなきゃいけないの?」
「あたしも、ずっと続けなきゃいけない?」
「……(弾き始める)」
「あ(笑んで)」
「あ(目を輝かせ)」
「(受け取り、嬉しそうに)」
「え?」
「……(うつむいたまま、チラシを書生に差し返す)」
「……」
「こんばんわ」
「鳥屋さん、また読んでくださいな」

シーン19 同・別の屋敷

「強いんだよ、助さまも格さまも。悪人なんか(箸を刀に)エイ、やッて……」
「(鳥屋に)ご飯すんだら、続き読んでくださいね」
「え……」
「……」

シーン20 同・一座の部屋

「……」
「……はい」
「(ちらりと見る)」
「え?」
「いえ……」
「(途端に顔に花が咲き)」
「あ……はい」
「(一言も聞き漏らすまいと、耳を傾けて)」
「(ふと見る)」
「……(少し、書生から離れ、千代子を見る)」
「(再び、耳を傾けて)」
二人の膝は、今にも触れそうで。

シーン22 同・一座の部屋

「難しい字、たくさん読めるんですね」
「あの……高等学校へは、どうしたら行かれるの?」
「女でも?」
「あたし、尋常の二年しか行ってないから」
「でも駄目ですよね。学校に上がるには、お金もたくさんいりますよね」
「え?」
「……(受け取らない)」
「(かぶりを振る)」
「……」
「もしあとで見つかったら……あたしが盗ったと思われる」
「書生さんには、お安いものかもしれないけど……あたしには、こんなの買うお小遣い、ないし」
「ごめんなさい」
「(努めて明るく)明日は下田!千代子義姉さんの赤ん坊の四十九日を済ませたら、活動に連れてってくださいますか?」
「(笑んで)はい」
「約束ですよ」

シーン24 共同湯

「人は……生まれた時から、住む世界が決められてるの?」
「……」
「今日……お奈津っちゃんに会った」
「九州に、行っちゃった……」
「お奈津っちゃん、泣いてた。ほんとは、行きたくなんかなかったんだよ」
「……」
「……」
「……」
「どうして?」
「そうじゃない世の中って……こないの?」
「……(ぽつりと)変だよ。……そんなのって、変だよ」

シーン25 山道(翌日)(富士山のみえる道)

「……」
「(立ち止まり、汗ばんだ頬で笑み)はい」
「そのお帽子、お似合いです」
「……学生さんは、東京のどこですか」
「(知らない)ほんごう……」
「あたし、東京、知ってます。お花見の頃に一度踊りに……」
「しょうらい?」
「……」
「まだ、分かりません」
「……」
×       ×       ×
「……」
「(ちらりと見る)」
「(笑んで)こんなの、あちこちにあります」
×       ×       ×
「あんなに大きく見えるんですもの、きっといらっしゃいましね」
「(汗ばんだ笑顔で)」

シーン26 下田街道

「……」
「(見る)」
「はい(と、竿を差し出す)」
「杖に」
「……」
×       ×       ×
「はい(と、竿を差し出す)」
「(息上がっていて)」
「(満足そうに見送って)」
「いい人だね」
「ほんとにいい人だね。いい人はいいね」
「(ちょっと下を向くが、うれしい……)」

シーン28 木賃宿・中

「(さすがに疲れて、足を投げ出して座る)」
「ええ、あなたのカバンより重いわ(笑む)」
「あとで、活動に連れて行って下さいね」
「七時に、目抜きの通りの木の下……(嬉しそうに)はい」
「(笑顔で見送り)」
「今夜は、お座敷ないよね。お休みだよね。(立ち)みんなのお茶、淹れてくるね」

シーン30 木賃宿の部屋の一画

「どうして!」
「明日からちゃんとお稽古もするよ。お座敷も最後までする。流しもするよ」
「……」
「約束したの。下田に来たら、活動に連れてってくださるって」
「そんなことない」
「分からなくない!いい人だもん!あの人はいい人だもん!」
「わかんないのはおばさんのほうよ!」
「分かってる。そんなの……(千代子を見る)」
「!?」
「わからない!なんで!?どうして!?」
「……」
「(目に涙、いっぱいにして)……」
「……」

シーン34 木賃宿

「(目を開けている)……」
「……」

シーン37 船着き場

「(目で探す)……」
「……」
「……」
「(目を伏せたまま)……」
「……(頷く)」
「……」
「……」
「……(俯いたままで)」
「……(俯いたままで)」
「……(俯いたままで)」
「……」
×       ×       ×
「?」
「……」
「(それを手にして)……」
「!!」
×       ×       ×
「(泣くまい、決して泣くまいと)……」
でも、彼女の頬は、涙に濡れて……。
晩秋の朝陽は優しく、その時をみつめていた。

(撮影稿台本より)