N:陽世のナレーション
シーン1 坂本診療所・二階の宇宙の部屋
「(ぼぉっと目が虚ろになる)……」
シーン3 坂本診療所・二階
「……」
N「それは東京に来て二日目の事だった」
シーン4 同・外観
N「意識はすぐに戻ったけれど」
シーン5 同・二階・陽世の部屋
N「何だか格好悪くて、寝たフリを続けていた」
「(思わず)検査なんていらない!」
「あ……寝不足でクラッとしただけ……面白いから様子見てたの(と、起き上がる)」
「ちょっとは心配してくれるんだ」
「(ムッと宇宙を振り返る)……」
「(無表情)ラジカセ」
「この部屋ラジカセもないの?」
「働くの嫌いだから」
「どうでもいいじゃない」
「そんな無理して生きなくたって」
「……」
「パパ、私には自由に生きろって」
「貴方には言わなくても私には言ったの」
シーン6 同・一階・玄関
「(ムッと宇宙を睨む)」
シーン8 道
「(憮然と窓の外を見る)……」
シーン9 一海のマンション
「(ムッと宇宙を睨んで)……」
「……」
「……」
「(黙っている)……」
「(無表情で宇宙を見たまま)……」
シーン11 一海のマンション・リビング
「……」
「―私のこと、どう思ってるんですか」
「それだけ?」
「判らない……判らないけど、全然怒らないし。あの人みたいに命令しないし」
「どうして?何も聞かないの?」
「……」
「……」
「……」
シーン17 ××高校・グランド
「(じっと見詰めて)……」
シーン29 ××高校・グランド
「……」
「(眩しそうに太陽を見上げ)……」
シーン30 坂本診療所・二階・倉庫
× × ×
「……私、ここに住むことに決めたから」
× × ×
「そんな無理して生きなくたって」
「……」
シーン45 一海のマンション・内
「やめてよ!」
「勝手に触らないで下さい」
シーン47 同・内
「(気圧されて)……」
「……もう絵はやめたの」
「!?」
「(ムッと宇宙を睨んで)どういうつもり?」
「……」
「……」
「……」
「……」
シーン50 坂本診療所・三F
「……」
「……あの」
「……わたし……」
「……」
「……いい」
「……ラジカセ、ありがとう」
―つづく
(マリア台本より)