N:陽世のナレーション
シーン2 大沢病院・陽世の病室
N「噂はすぐに広まった」
シーン6 坂本診療所・表
N「そして診療所に、突然の休暇が訪れた」
シーン13 大沢病院・病室
「……」
「……どうしたのこんな時間に?診療所は?」
「……?」
「(不安)来たの?病気の事は?入院の事教えたの?」
「(小さく呟く)……良かった」
「私、行かないよ」
「(ふと考え込み)……」
「……十年?」
N「こんなソラネェの顔は初めて見た」
シーン24 大沢病院・陽世の病院
「……はい」
「あのぉ」
「ソラネェに伝言お願いできます?」
「あ、いえ、ソラ、さんに……陸上の応援の事で」
「え?」
「あんな事って?診療所に何か?」
「(不安)……」
「あのう」
「もしかして診療所……潰れるんですか?」
「潰さないで下さい」
「(悲しそうに)潰さないで下さい」
「あ、いや……だって友達にあそこの住所言っちゃったし、ああいう古い家って珍しいし、カーテンで仕切った部屋も気に入ってたし、あ、新之助さんの御飯もおいしいし」
「もし退院できたら……私、あそこに帰りたいんです」
シーン41 大沢病院・陽世の病室
「じゃ、診療所は……」
「(不安)……」
シーン56 大沢病院・陽世の病室
「……」
「(驚いて)え?」
「だって……」
「(じっとその服を見て)……」
シーン62 大沢病院・陽世の病室
「準備できたよ」
「え?」
「ありがと」
―つづく
(マリア台本より)